静けさの代償

僕は音に敏感な性質である。こんな感じで。↓

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時には、家庭内の様々な電化製品から発せられる、
例えばエアコンの送風音のような作動音がやけにうるさく感じる事がある。
普段はさほど気にならない音が、急に不快で耳障りなノイズに聞こえてくるのである。

或る日の深夜、考え事をしている最中であった。
冷蔵庫から微かに聞こえてくる、キーンッというたっかーい動作音が
気になって気になって気になって仕方なくなってしまった。
まるで、孫悟空がなにか悪さをして、頭につけているあの金色の輪っかが、
三蔵法師が呪文を唱える事によって締め付けられていくような、そのような苦痛を感じたのだ。
その辛さに耐えかねた僕はどのような行動をとったか。と申しますと。
冷蔵庫のコンセントを抜いてしまったのである。するとどうですか。すっげー静か。
おかげで考えもまとまり心も安らか。いやぁよかったよかった。

そこでコンセントを元通りに差せば万事ＯＫだったのだが。
そんな事はすっかり忘れてそのまま眠ってしまったのであった。

コンセントを抜いた事を思い出したのは、あろう事か翌日の昼だった。

その時飲んだぬるい野菜ジュースの味、きっと僕は忘れないだろう。