磨き上げられたケンタウルス系オーバードライブ|Studio Daydream「KCM-OD」Gold V9.0 -Extremely tuned-

  • 2021-04-06 (火)


Amazon-StudioDaydream KCM-OD V9.0 Gold -Extremely tuned-

伝説のサウンドを現代的・実用的に

Studio Daydreamのオーバードライブ“KCM-OD Gold V9.0 -Extremely tuned-“を紹介します。
このペダルは伝説の”Klon Centaur”を基にオリジナルの長所を保持しながら、より音のバリエーションやノイズ耐性を向上させたモデルです。エフェクター・ブックVol.50に掲載されたアンケート”最強のオーヴァードライヴ選手権”では歴代の名機が並ぶ中ベスト10に入るという高評価を誇ります。
同ブランドの”Dhyana”に続き今回も公式動画を制作しました。まずは是非ご覧ください。

【ケンタウルス進化系オーバードライブ】Studio Daydream | KCM-OD Gold V9.0 -Extremely tuned-

使用機材
ギター
APⅡ MAF-8120GP
FGN NSG100
ケーブル類
オヤイデ
ギター・アンプ
Kemper Profiler :(使用モデル:Fender Deluxe Reverb)

オーディオグレードの高級パーツを贅沢に使用し、チューニングを施したKCM-ODスペシャルバージョン。

チャージポンプICによる27V昇圧回路を搭載。 使用パーツの選定、ノイズ対策を考え抜いた回路パターン配置、 スターグランド配線[一点アース]等の工夫により非常にローノイズな仕上がりとなっています。

2つのモード切替スイッチ、クリップモード[3モード]・バイパスモード[2モード]とFATノブを装備し、より幅広い音造りが可能。

バイパスモード切り替えでは、性能に定評のあるバッファーアンプを介したバイパス(Buffered)とバイパス時の音質変化が少ないのが特徴のトゥルーバイパス(True)を切り替えることが出来、エフェクト直列接続時のバッファー重複を回避することも可能です。

また、今回のV9.0から無段調整が可能となったFATノブでは、ロー側のサウンドを少し押し出すと共に、倍音成分を増やすことが可能。Normal位置にセットすることによりオリジナルの定数となるようになっています。

~パーツへのこだわり~
V9.0ではケースに専用設計のアルミ削り出し筐体を採用、ハイエンドと呼ぶに相応しい佇まい。 通常の倍の厚みを持った銅箔パターンを金メッキで仕上た基板に、高精度・高信頼性のミリタリーグレード抵抗DALE RN55を採用。 Panasonic、WIMAのフィルムコンデンサに加え、採用している電解コンデンサはすべてニチコン製のオーディオグレード高級品です。 歪の質感を決定づける重要な部品、ゲルマニウムダイオードはUNIZON社の希少な日本製デッドストック品を採用。バラツキのひどい最近のノーブランド品とは格が違います。 ノブにもこだわり、Oxblood[赤茶]色大型ポインターを使用しました。 選び抜いたパーツは、評価の高いサウンドをよりブラッシュアップすると共に、ノイズの多いライブ環境からレコーディングまで、よりシビアなシチュエーションにおいてその性能を存分に発揮してくれる事でしょう。

Studio Daydream 公式ページより

レビュー

コントロール類

上面にある3つのノブは”Centaur”に準じた仕様です。そして右側面のコントロールで更なる音のバリエーションが得られるようになっています。

Output
音量を調整します。出力に余裕がありブースターとしても使用出来ます。
Treble
主に高域を調整する”Tone”的ノブです。下げればメロウ、上げればブライトなトーンが得られます。
Gain
歪み量を調整します。最小でほぼ完全なクリーン、最大ではハイゲイン寄りな歪みが得られる、広いゲイン幅を持っています。
Fat Mode ノブ
低域を押し出すと共に倍音成分を増やします。最小でヴィンテージ的な音色設定となります。最大では図太い歪みが得られます。
Clip Mode スイッチ
3種類のクリッピング(ゲルマニウム/LED/シリコン)を切り替えます。
Bypass Mode スイッチ
トゥルー・バイパスとバッファード・バイパスを切り替えます。バッファーの音質にも定評ある”Centaur”の持ち味を継承しています。

それでは動画での設定を解説していきましょう。

ロー・ゲイン設定~”Fat”ノブの効果 [演奏箇所:0:19~1:16]

まずは”Gain”を9時方向にした設定です。”Treble”と”Output”は12時、クリッピングはゲルマニウム、”Fat”ノブは最小の状態から始めます。ストロークやアルペジオに合うクランチ設定で、ケンタウルス系らしい味付けのトーンです。”Fat”ノブを上げていくと低域が増してふくよかなトーンに変化していきます。例えばシングルコイルを使用していて音の厚みを足したい時や、単音でリードを弾く際に太さが欲しい場合などに”Fat”は有効でしょう。

クリーン・ブースト設定 [1:17~1:40]

“Gain”を最小にしたクリーン・ブースター設定です。クリーン・トーンを歪ませず、程良いコンプ感とトーンの味付けを足して際立たせます。”Treble”は金属的なギラッとしたポイントに効くので、トーンの明るさを調整しやすいです。アルペジオやカッティング、またはネオソウル的な演奏にも合うと思います。

クリッピング切替: ゲルマニウム~LED~シリコン [1:41~2:15]

“Gain” “Treble” “Output”を各12時、”Fat”を9時にした状態でクリッピングを3種切り替えてみました。ゲルマニウムが最もケンタウルス系らしいトーンで、LEDではエッヂ感が増し、シリコンではよりオープンなトーンとなります。いずれも極端な差ではありませんが、音の押し出し感が異なるので用途に応じてフィットするモードを選べば、よりトーンのクオリティを高められるでしょう。

基本的設定でリード [2:16~2:42]

“Gain” “Treble” “Output”各12時、”Fat”10時、クリッピングがゲルマニウムという設定でリードを弾いてみました。十分な歪み感がありつつ音の芯を損なわないナチュラルなトーンだと思います。特にタッチのニュアンスを楽しみたいギタリストに向いたペダルです。

エッヂを効かせたブースト [3:29~4:03]

“Gain”8時、”Treble”15時、クリッピングをシリコンにしたブライト目の設定です。コードをかき鳴らすのにぴったりのトーンだと思います。この設定はシングルコイルでも勿論合うのですが、動画のようにハムバッカーでも重過ぎることなくシャープな印象のトーンが得られます。

ちなみにこのパート冒頭のバイパス部はバッファード・バイパスに設定しています。このバッファーの音質も優秀です。

ゲイン高め設定のリード [4:04~4:51]

“Gain”14時、クリッピングをLEDにしたゲイン高めの設定でリードを弾きました。ケンタウルス系ペダルでゲインを高めにすると飽和感が強過ぎる場合があるのですが、この”KCM-OD”では音の輪郭が潰れずしっかり使える歪んだトーンが得られます。十分なサステインとコードの分離感を両立しているので、単音/複音を織り交ぜた演奏にもフィットします。

私はケンタウルス系ペダルが好みで色んな機種を試してきましたが、この”KCM-OD”はひと味違うクオリティの高さを感じさせてくれます。ケンタウルスらしさをしっかり意識した正統派の音色でありつつ、使い勝手を向上させたモデルです。ノイズの少なさも特筆もので、ケンタウルス系というか歪み系ペダル全般の中でも上位クラスに入りそうなローノイズを誇ります。
“KCM-OD”という型番で仕様変更を重ねてきたようですが、今回の”V9.0″は正に完成型と言える仕上がりで、評価の高さも肯けます。製品のクオリティからするとコストパフォーマンスも高く、かなり良心的な価格設定ではないかと思います。
定番のフォーマットを徹底的に磨き上げた一台です。


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