【圧倒的存在感の異形ペダル】”OGRE” 3機種レビュー

  • 2014-12-18 (木)

OGRE 3 awesome pedals

強烈なインパクトで異彩を放つエフェクター

2014年冬ヘヴィメタル系レビュー第2弾。

今回は強烈なアイテムをレビューします。
韓国の新進楽器ブランド”OGRE“のエフェクターです。
Thunderclap Distortion, Tubeholic Overdrive, Kronomaster Delayの3機種を一度に紹介します。

実はこの度、ヘヴィメタル系アイテムのデモ動画を数本並行して制作しました。
シリーズ物として作ったので、各曲に共通のモチーフや似たフレーズが登場します。
第1弾のCaparison Horusに続き、特別スタジオセットで撮影しました。
OGREのキャラクターとギミック、そして濃厚な雰囲気の動画をぜひお楽しみください。

OGRE 3 awesome pedals | Distortion, Overdrive & Delay

Music / Movie / Cast
cloudchair
Cinematography by
Yusuke Maehara
Cinematography Advisor
Yawara Inafuku (+CLEAR+)
Stylist
Mika Kashiwa
Shot at
YouTube Space Tokyo
Supported by
MUSICLAND KEY
Caparison
Lep International
OGRE

[この動画はYouTube Space Tokyoとレジェンダリーエンターテイメントのハウスオブホラーズにて撮影されました。]

デモの設定とレビュー

上記デモ映像で使った機材は、ギターがCaparison Horus-M3
前回のレビューで登場したヘヴィメタル仕様、27フレット搭載のこのギターは、ミュージックランドKEYの協力により特別に使わせていただきました。
そしてアンプはFender Twin Reverb
冒頭のクリーン・トーンがエフェクト無しの音です。

それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。

Intro : Clean Tone + Delay

OGRE Kronomaster Delay

Effect
Delay
Time
12(時方向)
Repeat
12
Mix
2

前述のように冒頭のアルペジオがエフェクト無しの音色です。
数小節弾いた後にKronomaster Delay(以下DL)を踏んでいます。

DLの音色は、やわらかめにフィルターがかかったアナログ的な質感になっています。
基本的にクリアなデジタル・ディレイに、控えめにアナログ感を加味した感じです。
減衰の仕方などは特に癖がなく、濁ったりもしないので「ウォームかつクリアなディレイ」という印象です。
ディレイ・タイムの設定幅は50〜550msです。

“Repeat”を最大にすると発振します。発振時の音色はアナログ的といえます。
デモではやっていませんが、発振した状態で”Time”を動かした時もアナログ風になめらかに音程が変化します。


Basic Rhythm / Lead

OGRE Thunderclap Distortion

Effect
Distortion
Level
12
Bass
10
Treble
2
Gain
2

続いてThunderclap Distortion(以下DS)をオンにします。
外観は凶悪に歪みそうなイメージですが、中身は正統派ディストーションです。
ベーシックな設定ではゲインもあまり高くなく、むしろあたたかさを感じるくらいのトーンです。
コンプ感は強めで、中域が豊かな歪みです。


Heavy Rhythm

Effect
Distortion
Level
1
Bass
2
Treble
5
Gain
3

“Gain”は3時あたりから激しく歪みます。
特に低域の飽和感が強く、ある意味ファズ的な暴れ方になります。
重々しい感触は、低域のリフに合います。


Distortion + Delay

Effect
Distortion
Level
12
Bass
9
Treble
2
Gain
11
Effect
Delay
Time
11
Repeat
7
Mix
3

DSDLの同時がけです。
ディレイ・タイムを符点8分にしてシーケンス的なフレーズを弾いてみました。


Crunch Rhythm

OGRE Tubeholic Overdrive

Effect
Overdrive
Level
5
Tone
5
Gain
10

Tubeholic Overdrive(以下OD)をブースター的に使用したクランチ設定でリズム・パートを弾きました。
これも正統派のオーバードライブ・トーンです。
クリーミィな中域はTS系を思わせます。


Mild Lead

Effect
Overdrive
Level
5
Tone
12
Gain
12

GainとToneを12時にしてリードを弾きました。
ミッドが充実したウォームなトーンですね。
コンプ感は強めです。低域がカットされたオールドスクールな歪みといえます。


Overdrive + Delay

Effect
Overdrive
Level
3
Tone
4
Gain
3
Effect
Delay
Time
3
Repeat
9
Mix
12

ODのGainを上げToneを絞ってスムーズなリード・トーンを作ってみました。
更にDLで奥行きをプラスしています。
ルックスからは想像出来ないような、甘く伸びやかで味わいのあるトーンです。


Triple Stack

Effect
Overdrive
Level
3
Tone
10
Gain
9
Effect
Distortion
Level
12
Bass
12
Treble
12
Gain
12
Effect
Delay
Time
7
Repeat
7
Mix
10

3機を同時にかけてスウィープによるリードを弾きました。
DSはツマミを全て12時の標準的セッティングで、その前段に繋いだODをブースター的に使用しています。
単体で深く歪ませた時よりもミッドが際立ち、なめらかなトーンになります。
更に”Time”と”Repeat”を最小にしたDLをかけてフランジング的なメタリック感を出してみました。

3個がけにしても割とナチュラルな感触のトーンだと思います。
ルックスからはエクストリームな音色を想像しそうですが、むしろオーガニックな印象を受けるくらいの正統派なトーン設定です。


外観

インパクトという点では最強といって良いデザインのエフェクターです。
ダイキャスト製の筐体は質感・デザインともに超合金を連想させます。
重量感や凝ったディテールは圧倒的な存在感を放っています。

3機種のデザイン上の共通点はスイッチとインジケーターです。
DSはアゴ、ODDLはマスクのような箇所、いわば口が可動式でスイッチになっています。
そして目の部分に仕込まれた2つのLEDが光るわけですが、この単純なギミックがなんともテンションを上げてくれます。

DSは頭部にある4つの角がLevel/Bass/Treble/Gainのノブになっています。
正直、パッと見では設定がわかりにくいデザインです。この特殊仕様は慣れが必要かと思います。

ODDLはヘルメットのような開閉式パネルの内部にノブが格納されています。
動画では少しわかりにくいかも知れませんが、パネルの開閉はスライドではなく立体的な動きをします。
この動きがまた超合金を思わせるような仕掛けになっています。
パネルを閉めればノブが動いてしまう心配が無いという、実用的な機能も備えています。

デモでは3機種それぞれ色が異なっていますが、実際は各機種共通で4色のカラーリングが存在します。
動画に登場するGold、Green、Redの他にGrayがあります。

OGRE 4 Colors

実に物欲をくすぐるルックスではないでしょうか。
1台のみならず数台並べたくなってきます。

総評

ご覧のように、他に類を見ない独自のテイストを持つブランドです。
外観の作り込みは異様なほどです。

それでいてサウンドは正統派。意外なくらいストレートな方向性の音色に作られています。
むしろ個性は控えめと言って良いでしょう。
モダンなタイト感はあまりなく、ある意味いなたい太さやあたたかさを指向しているように思いました。
見た目こそメタル仕様ですが、音的には特にジャンルを選ばず使えると感じました。

まだ店頭に並ぶ機会は少ないようですが、是非実際に触れてみて欲しいアイテムです。
今後もインパクトの強い新製品のリリースを控えているようですし、これからの展開が非常に楽しみなブランドです。


次のヘヴィ・メタル・デモ動画も近日公開予定です。
どうぞお楽しみに。

ミュージックランドKEY | Caparison Horus-M3

Horus_Key_1

ヒズミ屋 | OGRE Thunderclap Distortion

ヒズミ屋 | OGRE Distortion

ヒズミ屋 | OGRE Tubeholic Overdrive

ヒズミ屋 | Overdrive

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