フランス発のおしゃれなエフェクター – Anasoundsペダル6機種を動画で紹介

  • 2016-02-25 (木)

Anasounds 6 Guitar Pedals

高品位な音色と洗練されたデザイン

フランスのエフェクター・ブランドAnasoundsを紹介します。
ハンドメイドによる丁寧な作りやハイクオリティな音色が魅力です。
そして、なんといってもウッドパネルやプレキシガラスを組み合わせた独特のデザインが目を引きます。
個人的には今最もおしゃれなエフェクターだと思います。

今回はこのAnasoundsのペダル6機種を一気に紹介する動画を作りました。
是非ご覧ください!

Anasounds – Handmade Analog Effect Pedals –

Music / Movie / Cast
Jake Cloudchair
Thanks to
Fujigen
Lep International
ミュージックランドKEY
DeMont Guitars
PURUS Picks
Garret Works
Yusuke Maehara

使用機材

ギター
FGN NST200
FGN Expert Flame (with DeMont PU)
アンプ
Hughes & Kettner GrandMeister 36

Cerberus [Overdrive]

Anasounds Cerberus

Anasounds Cerberusは、無限大のオーバードライブトーンを作る、驚異的なエフェクトペダルです。そのトーンはトランスペアレントなドライブ、さらにTSからプレキシ、そして太く鋭いディストーションに迫るトーンまでを作ることができます。
ジャズ、ブルース、ロックへと、好みに合わせて設定できる3ステップのクリッピングスイッチに加え、内部コントロールトリムポットによりオーバードライブトーンをトランスペアレントから暖かなディストーションまで変異させることができます。

ローノイズなバイポーラトランジスタを使用。フットスイッチにはゴールドプレーテッドスイッチを使用し、トゥルーバイパスで作られています。また、電源部にはノイズフィルターを搭載し、パワーサプライから混入するノイズを最小限に抑制しています。

最初に紹介するのはオーバードライブCerberus (商品名は製品ページへのリンクになっています)。
3種類のクリッピングを切り換えられる、ヴァーサタイルなオーバードライブです。このデモではクリッピング・モード1の、最も歪みの少ないモードで使用しています。軽やかな歯切れの良さと若干のクリーミーさを加える感じはTS系に近い感触があります。色付けは薄めなので、トランスペアレント系といえるかも知れません。
動画のイントロとアウトロではそれぞれクリッピング・モード3でリードを弾いています。

Anasoundsのペダルには、内部トリマーによるコントロールが搭載されているものが多いのも特徴です。このCerberusにはROLL OFF、TONE、ASYMMETRIC、そしてLIGHTという内部コントロールがあります。


Savage [Overdrive | Klone]

Anasounds Savage

シルバーやゴールドカラーの、大柄な筐体と3つのノブを持つオーバードライブペダル。内部回路は昇圧され、GAINコントロールにはクリーンミックスを組み合わせた形を採用し、ゲインをあげてもクリアなトーンを失わない、その厚みのあるトーンは多くのギタリストを魅了し、今でも伝説のペダルとして語られています。
Anasounds Savageは、あまりにも高騰してしまったこの伝説のオーバードライブを、さらに強化し、コントローラブルにして制作したオーバードライブです。

特に重要な電源周りには高品質なノイズフィルターを設置し、さらに高いパフォーマンスを得るため、TC1044とOPAにTexas Instrument TLC274を選択しました。
オリジナルモデルの要とされたゲルマニウムダイオードクリッピングに加え、モダンなクリッピングを選択することもできます。
実際にAnasoundsにて伝説のオリジナルモデルと比較し、全く同じ音が作れるということを確認した上で、さらなるサウンドバリエーションを持たせました。

このSavageKlon Centaurをモデルにした所謂Kloneです。
昇圧によるハリのあるトーン、クリーン・ミックスによる輪郭、そして適度な粗さの歪みを持つオーバードライブです。ゲインは低めでクリーン・ブースター的にも使えます。この動画ではクリッピング・モードV(ヴィンテージ)でのクランチ設定にしています。Kloneらしいツヤと太さを持つ、あたたかみとエッジのある歪みです。
このSavageは特に私のお気に入りで、THE MORTALの「Mortal」や「サヨナラワルツ」のリードにてレコーディングやライブで使用しました。


Phase Lag [Phaser]

Anasounds Phase Lag

Anasounds Phase Lagは、OTAベースの100%アナログフェイズモジュレーションペダルです。OTAを用いることで、例えばオレンジ色の有名なモデル等のような、多くのFETベースの回路よりも高精度でより高品質な音色を作ることができます。
どちらが良いかというのは難しい問題ですが、Anasoundsでは数々のFETベースのフェイズシフターを実際に制作し、比較検討を行った結果、OTAを選択しました。

Phase Lagはプレイする周波数帯全域がスウィープする、現代的なモジュレーションを作ることができます。RATEを低く設定すれば空間的な広がりが、高く設定すればヴィブラートトーンが得られます。Phase Lagは4ステージフェイズシフターで、幾度ものテストを重ねて完成したペダルです。特に音量については気を配り、エフェクトを通すことで音量が落ちすぎるようなことがないように設計しました。AnasoundsロゴのインジケータはRATE設定に合わせて点滅し、現在の設定を即座に確認できます。さらに、内部に8つのDIPスイッチを設置し、フェイズシフターからヴァイブ、ヴィブラート、トレモロのエフェクトを作ることができます。

Phase Lagはフェイザーです。
動画ではゆったりと深めな設定にしました。モジュレーションがなめらかで立体的に感じます。アルペジオやカッティングを演出するのに効果的です。アウトロではCerberusで歪ませたトーンにPhase Lagを組み合わせていますが、えぐるようなモジュレーションもまた良い感じです。
内部のDIPスイッチによってモジュレーションの種類を変える事も出来ますが、こちらはおまけ程度の機能と考えて良いと思います。あくまでもフェイザーとして魅力的なモデルです。動画のように、インジケーターがスピードに追従して明滅するのも特徴です。


Freq Up [Booster]

Anasounds Freq Up

Anasounds Freq Upは、クリーンブーストからオーバードライブまでをカバーする、ヴォリューム/ゲインブースターです。
最大+24dBの強力なブーストを設定することが出来、B/M/TのToneスイッチでローエンド、ミッドレンジ、トレブルをそれぞれ強く押し出します。
いわゆるベースブースター、ミッドブースター、トレブルブースターとは違い、全帯域をブーストしながら、特に強く押し出す帯域を設定できるので、クラシックなブーストエフェクトでは設定できなかった、現代的なブーストの調整をすることができます。
また、本体だけでクランチ程度までのゲイン設定ができるので、ゲインブーストも可能。
さらに内部の2つのトリムポットと4つのDIPスイッチを組み合わせ、クリーンブーストからナチュラルオーバードライブまでのエフェクトとして使うことができます。

クリーンブースト回路と、Anasoundsのオーバードライブペダル“Cerberus”のセカンドクリッピングステージをパラレルで接続し、アクティブ回路の3モードトーンセレクターを組み合わせました。

Freq Upは3つのレンジを選択出来るブースターです。
この動画ではまずミッド・ブーストでゲインを上げてみました。歪みを付加するタイプのブースターで、オーバードライブといっても良いくらい歪みます。アタックのニュアンスが良く出て抜けも良いです。そして途中でトレブル・ブーストに切り替えています。こちらはエッジ感の強いトーンですね。
このパートでは歪ませましたが、次に登場するUtopiaではクリーン・ブースターとして使用しています。クリアな輪郭でアルペジオが際立ちます。


Utopia [Delay]

Anasounds Utopia

Anasounds Utopiaは、テープエコーユニットのサウンドを再現する、モジュレーションディレイペダルです。
暖かなヴィンテージエコートーンを作るフィルターを用い、0~400ms(最大設定600ms)までのディレイタイムを設定できます。エコープレックスやエコーレックといったヴィンテージエコーマシンの美しいトーンを作ります。特にTime設定の90%までは極上のスラップバックエコートーンとなるよう設計しています。オーバードライブやディストーションと組み合わせ、その音色をエンハンスするような使い方もできます。
また、MODスイッチにより軽いモジュレーションを付加し、ヴィンテージエコーマシンのワウ/フラッターのような揺れを作ることもできます。さらに多彩な内部コントロールにより、ディレイトーンを自在に調整可能。ディレイタイムを600msまで伸ばしたり、モジュレーションの深さや速さの設定ができます。

UtopiaはPT2399ディレイチップを中心に、ヴィンテージエコートーンを作ります。DSPを用いたデジタル回路は音にどうしても冷たさが残ってしまい、BBDを使うと、あまりにもアナログディレイのトーンとなってしまいます。AnasoundsではPT2399チップの特性を研究し、最良のトーンを得るための技術を組み込みました。

Utopiaはディレイです。
クリアかつ柔らかいディレイ音ですね。One Control Sea Turquoise Delayにも通じる、モダンでありながらもあたたかみを持つトーンです。クリーンにも歪みにも合わせやすく、ギタリストが使いやすい音色のディレイだと思います。フィードバックを最大にしても自己発振はしません。正統派といえるタイプのディレイです。
鳥のシルエットや斜めに配置されたノブがひときわ個性的で素敵です。


Feed Me [Fuzz]

Anasounds Feed Me

Anasounds Feed Meは、60年代のファズフェイスからインスパイアされた、BC108シリコントランジスタを用いたファズペダルです。分厚くてファット、マッシブなトーンでありながら、同時にトップエンドもしっかりと出力し、豊かな倍音成分を持つ音色を作ることができます。
外側にはフットスイッチだけが配置され、ノブやトグルスイッチを一切廃した独自のデザイン。しかし中を開ければ6つのトリムポットがずらりと並び、ファズサウンドを思い通りの音色に設定することが出来ます。

最後に紹介するのはFeed MeFuzz Faceをモチーフにしたファズです。
ノブが無く、大きなインジケーターが配置されたルックスはインパクトがあります。ノブこそ無いものの実は内部トリマーが6つもあり、非常にコントロールの幅が広いファズとなっています。あたたかい感じのクランチから荒削りなファズ・トーン、さらにはブチブチとゲートのかかるノイジーな音色まで設定出来ます。
動画ではまずストラトのボリュームを6程度に絞ってクランチにしています。Fuzz Faceの特徴である鈴鳴りも良い感じです。ギターのボリュームをフルにすると分厚いファズ・トーンになります。粒が粗く倍音が豊かな歪みです。


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ヴィンテージをリスペクトしつつモダンに仕上げるセンスが絶妙なブランドだと思います。
内部コントロールなど設定の幅は広いですが実用的な範囲になっていて、安定感のある音色を持っています。
突飛なキャラクターはほぼ無く、正統派の高品位なエフェクトが揃っています。

そしてやはりデザインは抜群ですね。実はペダルのみならず外箱も、一般的なボール紙ではなく箔押しの化粧箱になっていて非常に所有満足度が高いです。
デザインを担当しているのが若い女性というのも納得の、個性的でおしゃれなイメージです。

サウンドもルックスもクオリティの高いエフェクター・ブランドです。
是非弾いてみて欲しいです!

Anasounds紹介ページ|荒井貿易
http://www.ariaguitars.com/jp/items/other-brands/anasounds/

Anasounds製品販売リンク | デジマート

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