EarthQuaker Devices「Plumes」| TS進化系オーバードライブ

  • 2019-12-03 (火)

定番のサウンドを基に、幅広い音作りに対応

アメリカ発の国際的エフェクターブランドとして名を馳せるEarthQuaker Devices (アースクエイカーデバイセス、以下EQD)の製品「Plumes」の動画を制作しました。
「Tube Screamer」由来の定番のサウンドを基にしながらも、より幅広い音作りが可能なオーバードライブです。
このペダルのキャラクターを活かした内容になっていると思います。いつもと違うギターを使っているのも見所と言えるでしょう。
是非ご覧ください。

EarthQuaker Devices | Plumes [Small Signal Shredder]

Credit
Music / Movie / Cast
Jake Cloudchair
Thanks to
ヤマハ
荒井貿易

使用機材リスト
ギター
Yamaha RSP20CR (リンク先は製品ページ)
Line 6 JTV-69S
MAF-8120GP
ギター・アンプ
Kemper Profiler :(使用モデル:Fender Twin Reverb & Shure SM57)

「Plumes」公式ページ
https://www.earthquakerdevices.jp/plumes

 Plumesは真空管で得られる歪みを作れる様に設計された、誰でも一度は通るであろう”あの”ペダルを元に開発されました。この特定の回路は開発し尽くされていますが、EarthQuaker Devicesがこの皆さんに愛されているペダルの回路を当社独自の解釈を注入し、この音をさらに別の次元で楽しめる様に開発しました。

 まずはじめに。あの神聖なるICの領域4558と定番のBJTトランジスターバッファから敢えて距離を置いて、JFETを採用しインプットのインピーダンスを10メガオーム近くまで引き上げました!これにより、ノイズの低減を可能に、入力されたオリジナルの信号を安定させる効果を得られ、さらなる高域の響きを得る事に成功しました。入力された9Vの電源は内部で+/– 9Vに変換されオペアンプへの電源供給がされます。これで通常より高いヘッドルームを得る事を可能にしています。この結果、サウンドにはよりクリアで3次元感が加わりつつ、使用している真空管アンプを力強くプッシュします。今まで本当に良い音でリードを弾いていましたか? Plumesでは今までのリードを更に上の次元に押し上げて、どんなうるさいオケの中でも突き抜けてくるトーンを体験できると思います!

 使用する機材の組み合わせによってこのペダルの使い方を変えられる様に、3種類のクリッピングモードの選択ができます。Mode 1はSymmetrical(対称)ダイオードでPlumesでは一番歪みの得られるモードになり、クリーンに設定されたアンプとの組み合わせでは、黒のトーレックスとゴールドパイピングの定番ブリティッシュアンプの様な歪みが得られます。すでに歪んでいるアンプとの兼用では貴方のアンプで今まで聞いた事のない様なダーティーな歪みが得られるでしょう。Mode 2はクリーンブーストのモードで、信号はクリッピングダイオードに入らずオペアンプの歪みになります。Mode 3はAsymmetrical(非対称)のシリコンダイオードを使用した歪み。Plumesで”スクリーマー”の歪みに一番近い物になりますが、オリジナルの物より出力が大きく音のクリアさが格段に高い物になっており、トランスペアレント系の歪みペダルで聞かれる様なクリーントーンが若干歪んだ音に混ざっている様な感じの歪みです。このモードも暖かい低音のレスポンスが特徴で低い出力で使用することによって、アンプにも耳にも優しい音を作る事ができます。バンドの中で使用しても誰もがこのギターの音を楽しめる様な定番の音を得る事が可能でしょう。

 これでも物足りないって?ご心配なく!あのオリジナルの様な効きの狭いトーンコントロールを改善し振り幅の広い物にいたしました。どんなレンジのトーンにも対応でき、勿論オリジナルのトーンのあの暖かさもコントロールできます。低音は大きいながらもクリアで、中域を殺さず高音も十分なブライトさを確保しています。全ての帯域が必要なだけ得られながらもあの定番の中から高域にかかる歪みの量が得られます。

– 公式ページより –

レビュー

動画では3種類のクリッピング・モード毎にハムバッカーとシングルコイル・ピックアップで弾き比べています。
まずモード1は対称LEDクリッピングによる歪みが得られるモードです。比較的硬質なトーンの歪みですね。コンプ感が少なめで高域が伸びる明るめの音質は、一般的なTS系とは一線を画しています。TSを基にはしているけれども、TSらしさには拘っていないという意図が感じ取れます。

モード2はクリッピングなしで、最も歪みの少ないモードです。モード1より更にコンプ感が薄く、レンジの広いオープンなトーンが得られます。全モード中で最も音量を上げられます。単体で歪ませるならクランチ用、他の歪み系ペダルと組み合わせるならブースターとして活用出来そうな感じです。

モード3は非対称シリコンダイオードクリッピングで、比較的TSらしさを感じさせるモードです。他のモードよりミッドレンジにフォーカスされたトーンですが、それでもTS系としてはレンジが広めで、歪みの質感も硬めに感じられます。このモードは音量が小さめなので”Level”を高めに設定するのがデフォルトでしょう。

3つのノブは”Gain” “Tone” “Level”と一般的なコントロール類です。どれも効き幅が広めで様々な音作りに対応する仕様となっています。”Tone”はブライト寄りな設定で、最小でもさほどこもらず、最大ではギラついたトーンになります。”Gain”はTS系としては少しゲインが高め。最大でディストーションの領域に近いかなという感じです。

ピッキング/ギターのヴォリューム・ノブ/ピックアップ・セレクターに対する反応性は高めです。
動画の3:24あたりでギター・ヴォリュームを下げネック・ピックアップで軽くアルペジオを弾き、その後ヴォリュームを上げてストローク、そしてブリッジ・ピックアップに切り替えて弾いてみました。設定にもよりますが、弾き手のダイナミクスにダイレクトな反応を返してくれるペダルだと言えます。

動画の後半では各モードでリードを弾いています。
モード3で”Tone”を絞り気味にするとTS的な甘いトーンが得られます。サステインが長く、ファットな印象を受けます。
モード2では歪みを抑えめにしたクランチ設定にしました。シングルコイルの枯れた質感によく合うトーンだと思います。
最後はモード1で、”Gain”と”Tone”を最大にしてみました。オーバードライブとディストーションの中間的なトーンと言えるでしょう。この極端な設定でも奇抜な音にはならず、使える範囲に上手くチューニングされていると感じます。


TSをベースにしているとは言え、これは良い意味で「TS系」の範疇からはみ出していると思います。各モードの音色やコントロール類の効き具合など非常に実用的な使用感で、ミュージシャン的な視点でデザインされているのを感じます。幅広い用途にフィットする汎用的なオーバードライブと言えるでしょう。


「Plumes」販売リンク | デジマート


デジマートの「EarthQuaker Devices Plumes」販売ページへリンクしています。


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