SolidGoldFX-ハイクオリティに蘇るヴィンテージ系ファズ3種レビュー

2016-08-24 (水)

SolidGoldFX

往年の名機を改良したファズ3種

今回はカナダのブランドSolidGoldFXを紹介します。（リンク先は公式ウェブサイトです)
ハイクオリティなハンドメイド・ペダルを製作する彼等から、ヴィンテージ・ファズを基にモダンな改良が施されたモデル3機種が届きました。
If 6 Was 9 (ファズフェイス系)、Rosie (トーンベンダー系)、Sasori (シンエイSY-2系)です。

それぞれのデモ動画を作りましたので是非ご覧ください。
それでは1機種ずつレビューしていきます。

If 6 was 9 [ファズフェイス系]

Fuzz Faceを基にしたモデルです。モデル名の”If 6 Was 9″はJimi Hendrix (ジミ・ヘンドリックス)の曲名ですね。
シリコン・トランジスタBC108を採用し、ジミヘンの使用していたダラス・アービター期ファズフェイスの音色を狙っています。

コントロール：: Fuzz : 歪み量; Level : 音量; Bias : 中域の厚みや歪みのキャラクターを調整; Tone Switch : 基本的なトーンを選択する3ウェイ・スイッチ。タイト(左)、トレブル・ブースト(中央)、シック(右)の3モード

ゲインは比較的低めで、ブライトなエッジがあり歯切れが良く、扱いやすいと思います。
動画の後半ではギター・ボリュームをいじったりピックアップを切り換えたりしています。反応性が高く、手元の操作でトーンが随分変化します。
Toneスイッチは極端ではないものの、モード名の通りのトーンへ変化します。実用的なスイッチだと思います。

ファズフェイスに求める様々な要素をクリアした質の高いファズだと思います。

Rosie [トーンベンダー系]

Tone Bender MK IIを基にしたモデルです。初期Led Zeppelin (レッド・ツェッペリン)のギター・トーンを志向しているようです。
トランジスタはゲルマニウムではなくJFETとシリコンを組み合わせています。

コントロール：: Fuzz : 歪み量; Level : 音量; Bias : 中域の厚みや歪みのキャラクターを調整; Tone Switch : トーン選択2ウェイ・スイッチ。ノーマル(右)とベース・リダクション(左)の2モード

粘りのあるクリーミーな中域が特徴的です。Fuzzを低めにするとオーバードライブ的なクランチ、上げると図太くよく伸びる歪みが得られます。
リズム向けのタイトなクランチから音の壁を演出するファズ・トーンまで、どの歪み設定も使えると思います。
こちらのモデルもギター・ボリュームへの反応が良く、手元でクリーンから轟音まで変化させられます。

60年代ロックを彷彿とさせる色気のあるトーンを持っているモデルだと思います。

Sasori [Shin-ei FY-2 Companion Fuzz]

日本製ファズシンエイ FY-2を基にしたモデル、その名も「サソリ」です。ダーティなファズを求める人へうってつけとの事です。
オリジナルFY-2のユーザーにはThe Jesus and Mary Chain (ジーザス＆メリー・チェイン)やRadioheadのColin Greenwood (コリン・グリーンウッド)といった名が並びます。