Six Strings Soundscapes 前編

プロローグプロローグ2に続き、7月27日に行われたcloudchair初のワンマンライブ “Six Strings Soundscapes”のレポートです。
まずは前編のレポートをどうぞ!

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“Six Strings Soundscapes”
2009.7.27. @ Motion

出演者

  • Jake (G,Vo : ex-Guniw Tools, Super Soul Sonics)
  • Takuto (G : About Tess)
  • 青木裕 (G : Unkie, Downy)
  • 佐藤研二 (B : ex-Marchosias Vamp)
  • 仲俣和宏 (B : Karen, Fresh!, Downy)
  • Dko (Ds : About Tess)
  • 阿部耕作 (Ds : The Collectors)
  • タカガワミキ (Vo : Dizzy Sweet HA)
  • 石田幾多郎 (Electronics)
  • 田内万里夫 (Live Drawing : Mario-Mandala)

演奏曲目

  1. Solo Guitar Improvisation
  2. 風のうた
  3. Tree Song
  4. The Way Home
  5. Eternal Flame (Bangles)
  6. Flower
  7. Wing And Guitar
  8. Teardrop (Massive Attack)
  9. Wales Bridge
  10. Free Session #1
  11. Free Session #2
  12. Story Of Storm
  13. Echoes And Whispers
  14. Gypsophila

演奏開始 – 前半

この日のライブは僕のソロギター演奏と田内万里夫のライブドローイングから始まった。
即興演奏を始める瞬間はいつも頭が真っ白になる(というか何も考えられない)のだけど、
この日ほど運に身を任せて弾き始めた事はなかったと思う。
同じ空間で表現しているとはいえ、僕とマリオ君とのコラボレーションは会話のようなセッションとは違うものだ。
それぞれ影響を受けつつも、各々の表現は孤独なものなのだ。その距離感が僕にはとても心地良く感じられる。
そして孤独感はやがて陶酔感へ変わる。
独りで即興演奏をする時は、いつも不安に襲われそうになる。だからこそ、演奏を終えた直後の拍手にはいつも救われる。
これまで数回行ったマリオ君とのライブでは2時間近くノンストップで即興演奏をしてきたのだが、
今回は数々の段取りがある為、20分程でコンパクトに(?)まとめた。
ライブ会場限定販売CD“Six Strings Soundscapes”にもソロギターの即興演奏を収録しているが、この日の演奏はエフェクトを控えた割とストレートな内容になった。

次に青木裕を迎えて、7月13日に下北沢CCOで行ったライブと同じギターデュオという形態での演奏。
cloudchairの1stアルバムにあった世界観を、裕君のギターが見事に増幅してくれる。
1stアルバムの曲をライブで演奏するにあたって長い間アプローチを見つけられなかったのだけど、
裕君が合流してくれたおかげで、そしてその曲達を演奏する事を彼が薦めてくれたおかげで、
やっと曲の落ち着く場所を見つけられた気がする。
水彩画のような淡い彩りの、独特のアコースティック風スタイルが出来上がった。

そこにタカガワミキが加わると、更にそのスタイルに広がりが見えた。
ミキちゃんの声と存在が、cloudchairの世界観をより風通しの良いものにしてくれたと感じた。
自分の書いたメロディをヴォーカリストに歌ってもらうのは慣れているが、
自分の書いた歌詞を自分以外の人に(しかも女性に)歌ってもらう機会は、これまで中々無かった。
女性が歌っても違和感が無いという、意外な発見もあった。
それに、なんといっても舞台に華があるというのは素晴らしく良い事だ。

そこに更に、仲俣和宏阿部耕作が加わって5人編成に。
この2人のリズムセクションは、僕をとても安心させてくれる。
まっちょさん程信頼感のあるベーシストは中々いない。僕が引っ張るべき所でも大分甘えさせてもらった。
阿部さんとは今まで数え切れないくらい一緒に演奏してきた。人間臭さと歌心が滲み出ているドラムには、いつも乗せられる。
この組み合わせの中での裕君は本当にギターキッズみたいで、それを見ているだけで嬉しくなる。
男臭い連中に囲まれた紅一点のミキちゃんは、水を得た魚のように歌った。
大きな器だからこそ大輪の花が映えるというものだ。

僕のアイデアがどんどん形になっていく。
しかし僕が全てを細かくアレンジしたわけではない。
僕はテーマを提示しただけで、それを彼らが広げていってくれるのだ。なんというすばらしい環境だろう。

ここまでで約1時間が経過。ここからまたガラっと空気が変わって後半を迎える事になる。

つづく~

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